ゲン担ぎってなに？縁起のいい食べ物で運気をアップ！

受験でカツ丼を食べたり、神社へお願いしに行ったりと、私たちは「食」を使って幸運を祈ることが習慣になっています。何気なく行っていることですが、このゲン担ぎは一体どこからきたのでしょうか？

一体「ゲン担ぎ」とはなんなのか。どうしてゲン担ぎをしていたのか。ゲン担ぎになると言われる、オススメの食べ物などもご紹介していくので、ぜひご覧ください。

1 ゲン担ぎってなに？
2 ゲン担ぎを大事にする武将たち
3 言霊とゲン担ぎの関係
4 縁起のいい食べ物は？
5 まとめ
6 縁起の良い食品は食べもんぢからで是非！

ゲン担ぎってなに？

ゲン担ぎは幸運を祈るための行為で、江戸時代の「逆さ言葉」として始まったものだと言われています。「縁起を担ぐ」という言葉から「縁起→ぎえん→ゲン」という言葉に変化して、ゲン担ぎになったようです。

本来は「験担ぎ」という漢字でできていて、この「験」自体に「縁起」という意味があります。元は仏教用語で「全ての存在は因縁で繋がっている」と考えられていました。そこから良いことや悪いことが起こる時には何か前兆がある、と行った考え方に繋り、良い方面を引き出すために験担ぎを行うようになったのでしょう。

今でも財布に５円玉を入れて「ご縁がありますように」と願ったり、試験で五角形の鉛筆を使うことで「合格する」と言われたり、私たちの身の回りでも自然と風習として残っている部分があるのも面白いところですね。そんな身近な験担ぎを、とても大切にしていた時代があったのをご存知でしょうか？

ゲン担ぎを大事にする武将たち

戦国時代は、実力のある者だけが生き残れる、下克上の世界。運も実力のうちとされ、武将たちは運を味方につけようと、様々なゲン担ぎをしていたとされます。代表的なのが「打ちあわび、勝栗、昆布」を出陣前に食べる儀式。これらの食べ物は「打ち・勝ち・喜ぶ」という縁起の良い言葉として、皆で戦の勝利を願ったそうです。

中でもこのゲン担ぎを熱心に行っていた人物が、風林火山でも有名な武田信玄です。彼の領土にはすぐに食べられるよう、勝栗専用の蔵を設けられていました。さらに「晴信」という以前の名前から「信玄」に変えたのも、ゲンを担ぐため占いで決めたと言われています。出陣の日時から陣形、領土内の政治活動も、運に合わせていたようで、どれほどゲン担ぎを重要視していたかが理解できますね。

そんなゲン担ぎには、実は言霊とも関係性があると言われています。次に言霊とゲン担ぎの関係性を見てみましょう。

言霊とゲン担ぎの関係

日本には古くから「言霊」というものがあり、言葉にも魂が宿ると信じられていました。発した言葉をきっかけに、現実に何かしらの影響を与えるという考え方です。落ち込んでる時に励まされると、自然と元気が出たりもすることから「言葉」が私たちに何かしらの影響を与えているのは確かでしょう。

武将だけでなく現代の人々も、縁起の良い食べ物でゲンを担ぎ、この言霊をいつの間にか使っていたとも言えます。「鯛」も「めでたい」という意味で、祝い事などに食べられたりと、私たちの祖先が考えた言葉には、さまざまな繋がりがあるのかもしれません。

そんな言霊や験担ぎに関わりの深い食べ物は、日本にはたくさんあると言われています。次にどんな縁起の良い食べ物があるのか、一緒に見ていきましょう。

縁起のいい食べ物は？

小豆

お赤飯やあんこなど、古くからある日本食として親しまれてきた小豆。小豆の赤色は「魔除けの色」と言われ、邪気を祓い、厄除けの意味があると言われています。古くに流行った病である天然痘、これに効くのが赤い食べ物だと言われ、小豆を使ったぼたもちなどを食べたそうです。今でも季節の節目やお祝いにお赤飯を食べたり、私たちの健康を願う風習は、根強く残っているのかもしれません。

黒豆

日に焼けて黒くなるほど、マメに働けますようにという願いを込められた黒豆。勤勉に働けるようにという願いも込められますが、マメに暮らし、マメに心を配って生活をする、という毎日の生活を穏やかに暮らせるような意味合いもあります。そして昔のマメの表面はシワシワだったことから「しわが出来るまで長生きを」といった、長寿も願う縁起の食材だったことがわかります。

レンコン

たくさんの穴が空いていることから「見通しの良い将来を」といった願いが込められたレンコン。また、レンコンは種類も多く、多産を象徴して「子孫繁栄」の意味合いをもつようです。家庭料理からおせちまで、幅広く活躍するレンコンですが、元は神聖な植物だとされていました。レンコンの上に咲く、蓮の花は「最も極楽浄土にふさわしい花」とも言われたようです。

カツオ

元々は「勝男」の意味から男性に好まれていたカツオ。昔から縁起が良いとして、祝儀やお中元、歳暮の贈り物として鰹節も活用されていました。鰹節の切り口は、松の木の年輪に似ていて、松の気高さを讃える意味で｢松魚節｣とも呼ばれています。スポーツや受験などで「勝ち」を願いたいときには、カツオを使った料理も良いかもしれません。