古事記にも記載のある食材「ひえ」は健康や美容効果が高い食材

日本で昔から食べられてきた穀物といえば「稗(ひえ)」ではないでしょうか。日本最古の穀物になり、寒さにも強く荒地でも育つといわれています。栄養価の高さからも日本の穀物が見直されています。ひえとはどんな穀物なのか、栄養や食べ方について解説していきます。

ひえとは

イネ科の作物であるひえについて、詳しい起源はわかっていません。日本が起源だと考えている説もありますが、中国から伝わったとする説もあります。日本でひえが広がったのは、寒さに強く土質を選ばないためです。稲が不作になってしまった年に食料となる重要な穀物としても重宝されたそうです。東北地方や北海道をメインに栽培されており、水田や畑でも栽培できるなど場所を選びません。広く根を張るため、痩せた土壌でも育ちます。

また、アイヌの人々はひえを、祖先である神様が贈ってくれたものだと考えました。魂を養う食べ物として大切に育ててきたそうです。ひえは、小粒で少しグレーがかった白い見た目をしているのも特徴です。

ひえの栄養は

ひえは、ビタミンEや食物繊維が豊富な穀物です。白米と比べてマンガンが多く骨を丈夫にしてくれる働きがあります。他にもビタミンBや鉄、マグネシウム、カルシウムなども含まれています。ミネラルは不足しがちですし、体調を整えるためにも必要です。もともと日本で昔から食べられてきた雑穀になるため、体質や風土にあった食べ物でもあります。ひえには体を温めてくれる効果もあり、健康や美容対策にもおすすめです。ひえはもともと“冷え”が由来になっているとする説もあります。

ひえの食べ方は

ひえは、もともと白米のように炊いて食べるもしくは混ぜるのが一般的です。癖も少なく食べやすいのですが、少しパサつきやすい特徴があるため、アレンジして食べられるほうが多くなっています。多少のアクが気になる人もいるかもしれません。コロッケなどの揚げ物としても食べられますし、炒飯にしても美味しいのでおすすめです。ひえを使ったおかゆもあり、すぐに溶ける分、使いやすい雑穀だと思います。なかに梅干を入れてさっぱりと仕上げてもいいかもしれません。

ひえを炊くとマッシュポテトのように仕上がりますし、魚のすり身に似た味わいが特徴です。山芋を混ぜて食べることもありフィッシュミレットという名前でも呼ばれています。野菜スープのなかに少量ひえを入れて煮込むと、とろみが出てルーを使わずにシチューが完成します。ヘルシーですし、子供から大人まで食べられます。

まとめ

ひえは日本で昔から食べられてきた雑穀になるため、白米だけでは補えない栄養素を追加したいときにもおすすめです。なかにはひえのちょっとぼそぼそとした食感が苦手な人もいるかもしれません。ご飯や料理に少量を足すだけでも、ミネラルなどの栄養素も補給できます。ひえは、日本書紀や古事記にも記載されている歴史のある穀物です。ひえを日々の食材に積極的に取り入れてみてくださいね。

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