雪国の食材「打豆」はアレンジも豊富で便利な保存食

雪国で昔から伝統として伝えられているのが「打豆」です。料理のアレンジもしやすく、栄養をしっかりと補える保存食としても知られています。雪国でない地域には、あまりなじみがないかもしれません。打豆とはどんなものなのか食べ方やレシピも含め紹介します。

打豆が気になっている人も、ぜひ参考にしてみてください。

打豆とは

打豆とは、大豆をつぶして平たくしたものです。保存食としても知られており、雪国のスローフードとしても知られています。主に東北や北陸などの家庭で作られている料理になり、古くから伝えられてきた文化の一つになります。雪国では、春になると水田の端っこに大豆の種をまきます。その後、栽培した大豆を、晩秋に収穫するのが一般的です。打豆の材料として使われることもありますし、味噌に加工されるものもあります。

雪が多く買い物もままならない地域で、大切な保存食として伝えられてきた文化です。また、福井県は昔から浄土真宗とのかかわりが深いことでも知られており、報恩講が開かれています。そこでは、精進料理をふるまう必要があったため、大豆を使い加工した打豆が貴重な存在だったのです。

乾燥食品になり日持ちするのはもちろん、大豆は栄養価に優れているため、タンパク質を摂れる食べ物でもあります。

打豆の作り方

打豆は、使用する大豆によっても使い方が変わってきます。例えば、枝豆としても使用される青大豆は、そのままでもつぶれるほど柔らかいものです。でも完熟している黄大豆は硬くそのままつぶそうとしてもできません。たっぷりの水に浸けてじゅうぶんに柔らかくしてから打豆を作ります。石臼のうえに大豆を一粒ずつのせていき、木づちでたたく古典的な方法で行います。その後時間をかけて乾燥させたものが保存できる打豆となります。

下処理をしっかりと行わないと打豆にはなりません。大豆にもサイズ感による違いもあるため、打豆はこうした違いも考慮しながら作る必要があります。ひと昔前は家庭で作られているのが当たり前でしたが、今は打豆として販売されているものを購入する人もいます。

打豆のアレンジ方法は?

打豆は長い冬の間に使える便利な保存食です。大豆なのでそのままでも食べられますが、一つの食材としてアレンジするのが一般的な方法になります。煮物の中に入れる、酢の物に入っていることもありますが、郷土料理として「打ち豆汁」が最も有名です。具だくさんの味噌汁のなかに打豆を入れることで、いいアクセントにもなりますし、相性も抜群です。不足しがちなたんぱく質を取り入れる方法としてもおすすめです。

まとめ

打豆は、雪国で昔から伝えられてきた文化です。大豆を使っているため、栄養価も優れていますし、アレンジの幅も広いので保存食として用意しておくと便利です。調理方法も簡単ですし、彩を増やしたいときにも使えます。アレンジ方法を考えるのも打豆の楽しい点といえるのではないでしょうか。

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