学校の授業でよく行われるかるた取り大会。
テレビなどでもお正月などに中継されたりしますが、少し上の句を読まれただけですぐに反応して札を獲得しているのを見たことはありませんか?
百人一首は文字通り100枚の和歌が揃っていますので、すべて覚えないといけないと思うとげっそりしますよね。
しかし、そんなことはありません!
百人一首には『決まり字』というものが存在するのです。
そこでこの記事では『百人一首の決まり字とは?これを覚えれば一目置かれる存在に?』と題しまして、クラスメートや同級生などに差をつけられる百人一首の覚え方をレクチャーいたします!
競技かるたの正しい覚え方
百人一首でよくありがちな記憶方法は、「上の句(575)を言われたら、下の句(77)を言えるようにする」というものですが、競技かるたではこの方法で記憶すると差をつけられません。
もし、一目置かれたいとするならば
『下の句を見たら上の句が言えるようになる』
という覚え方にチェンジしましょう!
なぜならば、目の前にはひらがなで書かれた下の句がずらっと並んでいるからです。目の前にある札の上の句が何だったのかを覚えていないと、上の句が読まれて下の句がわかっていても探すところからスタートするので結局差をつけられないのです。
その事を頭に入れながら『決まり字』を覚えていきましょう。
決まり字とは何か
決まり字というのは簡単に言うと、『その文字を言われただけで下の句が判別できる上の句の最初の文字』のことです。
その文字は少ないもので1文字、多くて6文字になります。
575すべて覚えると17文字ありますが、6文字覚えれば上の句は完璧となるのでかなり覚える時間も短縮されます。
早速それぞれの決まり字をご紹介していきます。
一文字決まり字
こちらは確実に自分のものにしたい札になります。
つまり、最初の一文字で下の句が確定するものになります。
それぞれの句がこちら。
上の句 | 下の句 |
むらさめの つゆもまだひぬ まきのはに | きりたちのほるあきのゆふくれ |
すみのえの きしによるなみ よるさえや | ゆめのかよひちひとめよくらむ |
めぐりあいて みしやそれとも わかぬまに | くもかくれにしよはのつきかな |
ふくからに あきのくさきの しおるれば | むへやまかせをあらしといふらむ |
さびしさに やどをたちいでて ながむれば | いつこもおなしあきのゆふくれ |
ほととぎす なきつるかたを ながむれば | たたありあけのつきそのこれる |
せをはやみ いわにせかるる たきがわの | われてもすゑにあはむとそおもふ |
この7つの句はそれぞれの一文字目を取って「むすめふさほせ」と覚えます。
読み手が「む~」といった瞬間、「きりたち~」を取ればそれで確定なのです。
一文字読んだだけで札を獲得できれば、かなり爽快感があります。
五文字決まり字
一文字決まり字の次に覚えやすいのが五文字決まり字になります。
なぜならばたった1セットしかないからです。
上の句 | 下の句 |
よのなかは つねにもがもな なぎさこぐ | あまのおふねのつなてかなしも |
よのなかよ みちこそなけれ おもいいる | やまのおくにもしかそなくなる |
この場合、「よのなか」のあとの次の文字を覚えておけば、下の句が取れることになります。しかも運が良いことに、「よのなか」という言葉は現在でもよく使われていますのでとても覚えやすく狙いやすいものになります。
六文字決まり字
一文字決まり字や五文字決まり字の次に覚えやすいのが六文字決まり字になります。
なぜかというと、たった3セットしかないからです。それぞれご紹介していきます。
上の句 | 下の句 |
きみがため おしからざりし いのちさえ | なかくもかなとおもひけるかな |
きみがため はるののにいでて わかなつむ | わかころもてにゆきはふりつつ |
わたのはら こぎいでてみれば ひさかたの | くもゐにまかふおきつしらなみ |
わたのはら やそしまかけて こぎいでぬと | ひとにはつけよあまのつりふね |
あさぼらけ ありあけのつきと みるまでに | よしののさとにふれるしらゆき |
あさぼらけ うじのかわぎり たえだえに | あらはれわたるせせのあしろき |
それぞれ「きみがため」のセット、「わたのはら」のセット、「あさぼらけ」のセットがあります。
これは5文字を読んだ後、次の一文字目で動けるととにかくかっこよくなります。
これで「むすめふさほせ」や五文字決まり字と合わせるとすでに15枚覚えたことになり、達成感が湧きます。
この15枚だけでも覚えておけば、活躍の場が広がりますので、ここをスタートとしてほかの文字も覚えていくようにしましょう!
下の句がややこしいもの一覧
もう一つだけ覚えていてほしい内容として、下の句のややこしさがあります。
下の句のなかにはよく似たものがあり、せっかく上の句を覚えてもついうっかり違う下の句を取ってしまう事があるのです。
それぞれどのような和歌があるのかご紹介いたします。こちらのみ違いがわかりやすいように下の句を前にして表にいたしました。
下の句 | 上の句 |
わかころもてに ゆきはふりつつ | きみがため はるののにいでて わかなつむ |
わかころもては つゆにぬれつつ | あきのたの かりおのいおの とまをあらみ |
いまひとたひの みゆきまたなむ | おぐらやま みねのもみじば こころあらば |
いまひとたひの あふこともかな | あらざらん このよのほかの おもいでに |
みをつくしても あはむとそおもふ | わびぬれば いまはたおなじ なにわなる |
みをつくしてや こひわたるへき | なにわえの あしのかりねの ひとよゆえ |
見てわかる通り、下の句の半分または半分以上が同じなのです。百人一首は下の句がひらがなで、なおかつ5文字×3行で書かれているため、取り間違えやすくなっています。
さらに一つ目にご紹介した「きみがため~」に関しては、上の句も六文字決まり字に登場しているとにかくややこしい和歌になります。
ここをしっかり覚えておくと、ミスも減りますので得点につながります。是非余裕があれば覚えてみてください。
すべてを覚えなくても大活躍できる
百人一首は端から端まですべてを覚えなくても大活躍できる競技であることがわかりました。今回ご紹介したものはほんの一握りに和歌かもしれませんが、これを機に少しずつ覚えて他と差をつけてみましょう!
一度ほかよりも札を獲得できるようになると、途端に面白くなりますよ。
それでは最後までお読みいただきありがとうございました。